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大島紬の歴史と製造工程

 

奄美大島における紬のはじまり

 その起源は1800年以上前にさかのぼり、日本において最も長い歴史と伝統を持つ織物です。
奄美における養蚕の歴史は古く、1300年以上前から養蚕が行われ手つむぎ糸で紬が生産され、その染色方法も古代植物染色の技法であり、現在シャリンバイ(テーチ木)及び藍染として伝えられています。
 本場奄美大島紬は、タテヨコの細かい絣(かすり)糸が模様をつくっています。以前は絹糸を芭蕉の糸などで手くくりして絣模様を作っていましたが、明治40年頃から締めばたによる織締絣の方法を採用するようになり、世界に類を見ない本場大島紬独特の精密な絣模様ができるようになりました。
 

大島紬の特徴 

●世界一精巧な絣織物。ゴブラン織、ペルシャ絨毯とならぶ世界三大織物の一つ

●軽くて暖かく、しわになりにくいため着くずれしにくい。濡れても縮まない、着用後の手入れが楽など

 

大島紬の製造工程

大島紬の製造工程

上の図を見ても良く分からないと思いますが、簡単に言うと、大島紬は糸自体に柄を付けるために絹糸を綿糸で仮織りをし、それを染めたり加工をし、解いて最後にまた織る。

それぞれの工程で専門の職人が心を込め手作業をし、次の職人に渡していくわけです。ですから大島紬は一人では作れないのです。

下に大まかな工程を書き出しましたのでご参考までに。(タテヨコ絣泥染め・色入りの場合)

工程簡略図

図案図案2

①図案作成・糸の準備
原図やイメージを元に方眼紙に柄の設計を行います。昔は一点一点ペンで設計図を書いていましたが、現在は大島紬の図案用のパソコンソフトを使って設計をするのが主流となっています。
この時点でどれだけの糸が必要か計算し、糸の用意をします。

糸くり整経 ②糸くり・整経
絹糸を小さな枠に巻き取ります。
設計図に合わせ、タテ糸とヨコ糸を決められた長さと本数を整経していきます。
のりばりのりばり2 ③のりはり
天気の良い日に整経したタテ糸とヨコ糸を別々に、いぎす(海藻糊)で固め、日光で十分に乾燥させます。次の工程のしめばたまでにさらに乾燥させます。
しめばたしめばた2 ④しめばた
絣の模様を作る工程。
最後のはたおり機よりも一回り大きな機で、図案に合わせながら木綿糸で絹糸を強く織り締めていきます。
テーチ木染め泥染め

⑤染色(テーチ木染め・泥染め)
タンニン成分の多いテーチ木(車輪梅)を大きな釜で2430時間くらい煮た汁に絹糸を入れてもみこみ、液を変えて何十回も繰り返し染めます。
乾燥の後、泥田で染めるとテーチ木のタンニンと泥田の鉄分を化学反応をおこします。
さらにテーチ木染めと泥染めを繰り返し染めます。

すりこみ染色ばらさき ⑥準備加工
一言で準備加工といっても様々な工程があり、色を差したり綿糸をほどいたりして絣糸を作っていきます。同時に無地の糸の準備も行っていきます。
目破り、すりこみ、ばらさき、あげわく、仕上げなどの工程があります。
はたおりかすり調整

⑦はたおり
「高ばた」という手織り用のはたで、織り、7cmほど織ると、たて糸をゆるめ、1本1本丁寧に模様を合わせます。
柄や人によりますが、1反約12,5mを約1月ほどかけて織りあげます。

検査 ⑧製品検査
本場大島紬共同組合にて幅や長さをはじめ、色ムラや絣の不揃いなど20項目にも及ぶ厳しい検査を受け、合格をして左の地球印が貼られて初めて製品として認められます。
下の2つは鹿児島産地左が手織り、右が機械織り
大島紬大島紬

⑨反物・製品
泥大島・色大島他マルキ(タテ絣の本数)などで価格は様々ですが、反物から着物はもちろん洋装や小物など多種多様の製品ができあがります。

 

柄の由来


ハブやソテツ

龍郷柄 

  サンバラ 秋名バラ
ハブやソテツ
龍郷柄
 
サンバラ(カゴ)
秋名バラ柄・矩形柄

 

   
 
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