クレバスの彼方ベースキャンプ設営

次の日から、ベースキャンプまで、カヒルトナ氷河を歩くことになる。氷河には、クレバスが、大きな口をあけ待っている為、右左にクレバスを避けながら行くので、大変時間がかかる。クレバスでも、ヒドンクレバスと言い、表面に雪が被さっていて隠れているものが、一番危ない。一度落ちてしまった。あっという間の出来事で、何とか両手とザックが、引っかかり止まるには止まったが、足の下は、何百メートルもある奈落の底である。幸いにも全員がザイルで結ばれていたので、大丈夫だったが、恐る恐る進むことになる。
 歩いても歩いても、同じ風景が続く、それほど広く長い。一日16時間以上歩いても、二日間は十分かかり、やっとMt.フォーレーカーの裾野にベースキャンプを張ることが出来た。
 ベースキャンプから見るフォーレーカーは裾野が長くきれいな山である。目指す東南稜は、なかなか手ごわさそうである。その日の内に、シェルドンが食料などの荷物を投下してくれた。半径百メートル以内に見事に落とす。一人で、足も悪いのに、凄い腕前とつくづく感じる。いよいよ登山活動開始である。


Mt.フォーレーカーをバックに全員で