NZ航空17:15パペーテ行きの搭乗口へ向かう。まだ30分もある。そこらにある免税店をうろうろしながらゆっくり進む。その中にあのワインがあった。キウイのかわいいロゴの入ったボトル。あーうまかったよなぁあれ、買って帰ろうかなぁ・・・歩み寄る前に妻に腕をつかまれた。『あんな重いのだれが持つの?』そういえばそうだな、あきらめた。
 搭乗口には17時についた。外人が多い。うーん、いないなぁ日本人・・・。ちょっとさみしい。ソファーに座って待つことしばし、17:15になった。搭乗口が開く気配全くなし。乗客もどうでもいいやって感じ。17:30になった。開く気配なし。搭乗口に問い合わせる乗客がちらほら出始める。ちょっと心配になり便名を確かめる。間違いない『PAPETTE』と書いてある。カトーさんに言われたとおりにしてるんだ。大丈夫・・・のはずだ。自分に言い聞かせる。17:45頃、スチュワーデスのねーちゃんらしき人々が搭乗口を通っていった。18時前なんやらアナウンスが流れる。んーなにいってるかわからん。でもそれを聞いてか周りの外人さんがぞろぞろと搭乗口に向かう。やっと出発か。でもよかった。何も急ぐことはない。飛んでくれればそれでいい。
 我々も搭乗口に向かう。ガラス越しにはパペーテ行きの飛行機その向こうにはきれいな夕日。しばしその景色にみとれる。・・・と、『こんにちわーあなたがたもタヒチですか?』あ、日本語だ。振り返るとすらりとした白髪の渋いおじちゃん、おじいちゃんといったほうがよいか?・・・とその奥さん。やさしそうな老夫婦。おじいさんは手に大きな白い紙袋を下げている。おじいちゃんが続ける。『大変でしたねー。いや、私たちは大阪から来たんですが。』大阪?ていうことは関空発だったのにそれが成田発に変わったんだから大変だよ。『わざわざ成田まで行って今朝ついて今の今まで空港から一歩も出ずに・・・いや、もう疲れました。』うーん、それはきつい。ナイスフォローJTB。おじいちゃんの大きな紙袋が気になった。『いえね、今回娘たちがどうしてもタヒチで挙式をするって言いましてね。時期が時期なんだけどもキャンセルするわけにもいかなくてね。』紙袋を少し持ち上げておじいちゃんがおっしゃった。覗き込むと・・・あ、きれいなウェディングドレス。ふと老夫婦の後ろを見やると疲れきった顔の青いカップルが一組。日本で披露宴をすませてきたばっかりだという・・・疲れきってる。かわいそう。我々は仕事の都合もあり挙式は7/20に済ませていた。披露宴直後のハネムーンはちときつそう。話してるうちに搭乗口に着いた。チケットを切ってもらった後、老夫婦と新婚さんはビジネスクラスのほうに行ってしまった。『つかれてたね。』『でもビジネスクラスだよ。いいなぁ。』『どっかの社長さんって感じだったね。』『おれらのがきも挙式はタヒチでしよう。』ぺちゃくちゃしゃべりながらエコノミーの席に着く。さあこの飛行機が今度着陸したらタヒチだ・・・!心が躍る。飛行機は無事に離陸。すぐに夕食だった。食前酒はキウイワインを期待して『w hite wine』を頼んだが外れだった。食べ終わってしばらくすると機内は真っ暗に。ワインが回って睡魔におそわれる・・・おやすみ。
 入国カードを配るスチュワーデスの声で目が覚める。お、何時だ?時計をみると夜の8時をさしている。離陸したとき時計は3時をさしていたから5時間たったのかぁ。あーよく寝た。あと1時間でパペーテらしい。えーと・・・タヒチは日本より19時間おそい。日付変更線も越える。てことは時間は5たして日付は1引けばいいわけだ。てことはパペーテ着は夜中の1時かぁ。やがて飛行機は高度をおとし始める。そして着陸!ついた!タヒチの玄関『ファアア国際空港』だ!・・・如何せん真っ暗、実感があまりわかなかった(^^;。
 飛行機から降りると生暖かい。うーん、南国だ!これだ!これを味わいに来たんだ!!出国ゲートの前でタヒチアンのねーちゃんがティアレをくれた。みんな耳にさしている。急いで自分も耳にさす。鉛筆だったら競馬おじちゃんだ。さらに進むと今度はウクレレをもったタヒチアンが歌と演奏でもてなしてくれる。真夜中なのにご苦労様だ!さすがは観光地!!みんなが出国ゲートを通り過ぎるとウクレレ隊は場所をわざわざ移動して演奏してくれた。ガラーンとした真夜中の空港に花が咲いたようだった。フライトの疲れも癒される。空港には現地の旅行会社(SPT)の方が迎えにきてくれるはずだった。カトーさんに会う時と同じ緊張感を抱きながら出口へ。しかし杞憂であった。出口には白板があって大きく『ヨシカワヒデキ様』と書いてあった。白板の横には日によく焼けたグリーンのシャツを着たSPTの人がいた。日本人だった。名を告げると笑顔で『ようこそ、お待ちしていました。』とレイをかけてくれた。ふとみると成田以来会ってなかった荷物も届いていてポーターさんがワゴンに積み込んでいる。あ、あの新婚さんたちもいた。大分元気になっている。よかった。6人の日本人を乗せてワゴンは出発した。前情報では日本人でごった返すと聞いていたのに思ったより少ない。なんだか日本人と会えたほうがほっとしてしまう。やはりこのご時世だからか。ワゴンはリゾートに向かって南下し始めた。旅行会社のスタッフのにーちゃんがお話を始める。あ、タヒチの車は左ハンドルだ。フランスだもんね。10分程走って車は止まった。新婚さんだけ降りてまた走り始める。どうして?老夫婦によればもう明日はボラボラにわたって挙式なのだそうだ。今から夜を通して打ち合わせらしい。うーん、大変。車はさらに走りつづける。外は真っ暗。5分くらい走ったところで宿泊予定の『ル・メリディアン・タヒチ』に到着した。暗くてその全容ははっきりわからなかったがロビーは吹き抜けで涼しい風が心地よい。受付のねーちゃんが『ボンジュー』と迎えてくれる。お、フレンチだ。ロビーでSPTのにーちゃんの説明をしばし聞いてお部屋へ。部屋は『433』。ロビーから歩いて2分くらいのところ。中は・・・うーん、きれい、すばらしいの一言に尽きる。いろいろと気がはやるがもう2時だ。バスにつかると疲れと睡魔が一気に襲ってきた。飛行機でねたのになぁと思いながらいつしか深い眠りへ・・・。
お部屋はトロピカルな色使い
ロビーは吹き抜けで涼しい。
疲れた笑いが悲しい(^^;