正義と勇気を育てる学級&学年集団づくりNO24
    2003年 4月   道徳教育改革集団・鹿児島  内山義朗
最初の三日間学級担任として何をすべきか
 
 これを記しているのは2003年3月。2004年度の初め三日間の行
事等日程は未確定。もちろん、担任学級も学年も未確定。
 時数や行事は学校・学年によって少々の差はあるだろう。しかし、そん
なに、すべき活動に差はないだろう。
 現地点での私の計画をお伝えする。3月時点で作成するのだから、全学
年である程度対応できる計画となる。
 学年・学級がわかれば、細部を組み立てればよい。もちろん、子どもの
実態に対応させながら修正していけばよい。
 新たに子どもたちと出会う前である。実態も知らない段階で、このよう
な大ざっぱな計画を立てることをお薦めする。
 最初の三日間でできるように、特に私が意識的に進めるのは次の三つ。
・話を聞けるようにする。(担任にしろ子どもにしろ、みんなの前での話
があるときは黙って終わりまで聞く。質問や意見はその後で。)
・時間を守れるようにする。授業開始時刻・終了時刻を確認し守れるよう
にする。
・学級のルールをつくる。学級で必要な仕事を「いつ・だれが・どこで・
何をするのか」明確にする。
 以下、今のところ計画している大ざっぱな活動内容と留意点を示す。
 
1日目
 
1 行事(新任式・始業式・学級担任等担当教諭の発表)
・実態把握。聞く態度の観察。
2 教室に引率してからの全員自己紹介
・担任が最初に楽しく知的に自己紹介をする。今のところの方針・考えな
どを記した学級通信を配り読む。
・特技を一つ披露し「先生はただ者ではない」ところを見せる。簡単にで
きる手品を一つする。
・自己紹介の後、質疑応答。そこで、挙手や発言の仕方・話の聞き方を鍛
える。(一発目の鍛え。)
・転入生を含め,全員一人ずつ自己紹介。(氏名の確認。)
3 座席の決定
・名簿順の座席表を前日のうちに黒板に貼っておく。
・担任発表があって始業式が終わった後、その通りに腰掛けておくように
指示。
・座席は,名簿順,その後視力等を考慮して調節。「そのままの席では困
る」子に理由を発表させる。そして、「代わってもいいよ。」という子と
交代させる。
・「最初の二週間はこれでいきます。二週間経ったら席替えします。」と
伝える。
4 自己紹介ゲーム
・自己紹介ゲーム(個対個の自己紹介)
・手順(道徳教育改革集団代表・深澤久氏が最近いつも講座で紹介する方
法)
(1)B5の四つ切り大の紙,一枚に自分のよいところを書かせる。
(2)一人でいる人を見つけ,握手をする。
(3)ジャンケンをして負けた人から自己紹介をする。
  (氏名と自分のよいところをひとこという)
(4)「よろしく」と言って,握手をする。
(5)別な人を探して,(1)〜(3)を行う。
・子どもの人間関係把握。
5 連絡
・毎日持ってくるもの(学習用具)の連絡。
・赤鉛筆・のり・はさみ・鉛筆5本以上・定規・コンパス・分度器・辞書
(覚え方「あのはえ,じこ,ぶじ」)。
・宅習帳配布。明日の予定を宅習帳に記入させる。
・宅習帳配布の際、「もらった時に何と言えばいいでしょう?」「後ろに
渡すとき何と言えばいいでしょう?」と問う。列ごとに配布。「どうぞ。」
「ありがとう。」の言葉のやりとりができるようになる。  
・記名をさせる。机間観察し、ていねいに記名している子を誉める。
・「明日の連絡をします。何をしたらいいですか?」と問う。メモをとら
せる。メモのとり方も教える。 
 
2日目 
1 最初の呼名
・ 一人一人名簿順に呼名。きちんと挙手して返事ができる子を誉める。
(できない子には、それなりの指導。)
2 全員自己紹介
・一人一分以内で、一人ずつ全員スピーチ。名簿順。前日に「明日は自
己紹介。30秒以上一分以内です。必ず紙に書いて練習してくること。宿
題です。」と伝え、メモさせておく。
3 教科書配布
・運搬者募集。「手伝ってくれる人?」と聞き、手を挙げた子を大いに誉
め、運搬を手伝ってもらう。
・教科書の配布。その時、「どうぞ。」「ありがとう。」の言葉を交わす
ようにする。そして、記名指導。
4 学級の組織づくり1・当番活動(生活班)
・5人くらいずつの班をつくる。40人学級だと8グループ。班は、名簿
順に5人くらいずつA・B・C・・・・と分けておく。
・各班に「学級内の誰かがしないといけない仕事」「数人でできる仕
事」を割り振る。例えば、次の仕事。
A 給食当番T・・・温食・食器・副食の準備・片づけ
B 給食当番U・・・ご飯・パン・牛乳・デザートの準備・片づけ
C 水かけ当番・・・学級園の水かけ
D 進行当番・・・朝の会の運営
E 配り当番・・・宅習帳などの配りもの
F 担任お助け当番・・・授業で使用する用具の準備・片づけのお手伝い
G 給食スピーチ当番
H 台ふき・台ひき当番
・一週間交代で輪番制。どの子も、いずれかの仕事を行うことになる。8
週間で一通りすべての仕事を経験することになる。
・このほかに「だれかがやる必要がある仕事」が出されれば、仕事の少な
いところに入れる。
・各班班長・副班長を決める。立候補じゃんけん制。
5 学級の組織づくり2・学習活動(学習班)
・座席配置をもとに、設定。担任が分ける。次の2種類。
ビッグ班・・・6人くらいずつの班。給食時間や図工室・家庭科室利用の
際の班。
ミニ班 ・・・4人くらいずつの班。ちょっとした話し合いの時の班。
・ビッグ班とミニ班には、班長・副班長をおく。立候補じゃんけん制。
6「今の私」の記録
・『「今の私」の記録』なる書き込み用プリントを準備しておく。「教
科別好き嫌いアンケート」や「得意なこと」好きなもの,好きなこと」
「苦手なこと」「今年度やりたいこと」などの記録。
・『「今の私」の記録』プリントを配布し,各自記入。
・『「今の私」の記録』プリント記入後集め,保管。実態把握に活用。そ
の子との会話や家庭訪問の時の会話での話題にも活用。 
7 行事(身体測定)
・自習指導。自習の定義「誰にも迷惑をかけずに一人で学習する」「タメ
になる学習内容を自分で決める」の指導を事前に行う。
・待っている人・終わった人は,自習。
・身体測定時のマナー指導。 
8 基礎学力の実態把握
・前年度学習計算問題。
・前年度学習漢字書き取り。
・市販の問題プリント活用。習得レベルを把握する。
9 給食指導
・大事なポイントを指導。「準備・片付け」の方法・「準備前・片づけ後
の過ごし方」「残すときのルール」など。
 
3日目
1 1学期の個人目標
・達成目標となる数値などを入れ,具体的に自己評価できる目標設定法指
導。
・みんなの前で一人ずつ全員発表。
・発言の仕方の指導。最も遠い人に届く声でスピーチできるようにする。
2 美化活動班
・美化活動場所と人数を板書。美化活動班は「学期交代」「教室そうじの
人数は約3分の1。1・2・3学期のいずれか必ずすること」を伝える。
・希望する場所にマグネットネームプレートを貼らせる。人数が定員より
多いところは、じゃんけん。負けた子は、まだ定員に達していないところ
に第2希望。というように進めて決定。
・班長・副班長を立候補じゃんけん制で決定。
3 委員会活動
・委員会の説明。意義や内容を伝える。
・決め方は美化班と同様。
4 学級の係
・「世のため人のために役立つ仕事」を設定する。はじめに「これは必要」
という係と「あったっほうがいい」係を募集。例えば次の係。
・学級代表・・・児童代表委員会に出席。学校・学年行事での係などの代
表になる時優先権をもつ。
・保健係 ・・・児童保健委員会への出席。
・学級会企画係・・・班長会を開き、議題の設定と議長団の決定をする。
担任と交渉し学級会の日時等を決める。
・パーティー係・・・学級パーティーの企画。計画案を作成し、学級会で
提案する。
・水族館係・・・水槽でかう生き物の世話。
・写真サービス係・・・学級の写真注文の取りまとめ。
・環境新聞会社・・・環境問題について調査し、新聞で伝えたり、朝の会
などで緊急報告をする。
・学級文庫係・・・学級文庫の本の整理。本の紹介。
・このほかに「やってみたい係とおもな仕事内容」を出させ、板書。「世
のため人のため」にならない活動は設定しない。「それは、必要と思えば
個人でやってください。」と伝える。
・「どの係に所属するか」を決める。「人数は、各係3〜5人」と伝えた
上で、「やりたい係」のところにマグネットネームプレートを貼らせる。
それで、決定。人数は限定しないが、「多すぎて仕事にならない」「やり
手がいなくて困るところ」があれば、ゆさぶりをかける。
・係が決定したら、各係ごとに話し合い仕事内容や担当の決定。1枚の紙
に「係名」(ユニークな名称をつけさせる)「係長・書記・各仕事の担当」
「目的」「仕事内容」(いつ・どこで・何をするのか)などを記入。
・係名・目的・おもな仕事内容等の発表。のち、記入した紙を教室内に掲
示する。
5 ノート指導
・直線は,定規で引く。
・ノートのはじめには,日付を記入する。
・消しゴムは,使わない。(訂正は×をつけるか,二本線で消すかする。)
6 学習指導
・当たり前のことが当たり前にできるようにさせる。例えば、時間を守ら
せる。
・授業開始時刻に授業を始める。形式的なあいさつなどしない。遅れてく
る子がいても待たない。始めておく。「遅れてしまった」と思うように仕
掛ける。
・「何ページを開きなさい」「ノートに写しなさい」の指示のあとに教科
書・ノートをきちっと開いているか確認する。
・話をする時は手に持っているものを置いてから聞かせる。きちんと聞い
ていなくて後から「何するの?」と質問に来るときは「さっき言いました」
と言えばよい。「きちんと聞いていなくてまずかった」と思わせればよい。
・授業中トイレに行きたくなったら「トイレに行ってもいいですか?」で
はなく、「トイレに行かせてください」または「トイレに行って来ます」
と言えるようにきたえる。
7 並び方
・集会時や体育授業時にさっと並べるように、いくつかの列の並び方(1
列・2列・4列)を指導する。
 
 
*以上、編集の藏満逸司さんとお約束していた「2003年4月まで連
載」通り、今回をもっていったん終了します。ご愛読・ご意見くださった
方々、ありがとうございました。新年度しばらくは多忙になる予定ですの
で、しばらく間をおいた後、復活する予定です。
2003年3月11日  道徳教育改革集団・学級づくり担当 内山義朗