正義と勇気を育てる学級&学年集団づくりNO19.5
2002年 霜月
「★MM小学1008★最近気になること(1)〜学級づくり〜 」へ
の質問にお答えします。
読者の方から2点ご質問をいただきました。以下、2つのご質
問にお答えします。。
〈Q&A 1 〉
>●1点目です。
>>(2)学年練習時間は最低限。表現・学年全員リレー・徒競走・団体競
>> 技、全部ひっくるめて5時間もあれば十分。他は、学級での指導に
>> 当てる。子どもの自主的な練習時間を授業の中で確保する。
>表現の練習だけで、各学年5時間は必要のようです。
>どうすれば、短時間で済むのでしょうか?
ダンス・表現種目で何をするかによって、かかる時間も異なってくる
でしょう。「どんな力をつけるために、どんな指導をするか」「どの程度
の完成度をめざすか」によっても、異なってくるでしょう。
私は、今の勤務校に来て8年目になります。昨年度までの7回の運
動会には、いずれも5年または6年担任として関わってきました。
殆どは、5時間程度以内でやっていたはずです。やった表現種目は、
「フォークダンス」「阿波踊り」「○○○体操」。(ただし、1回は町が
県民体育大会会場ということで1学期にマスゲームをしたため、運動会で
も、それを実施しました。)
おおよそ共通していた点は、次の通りです。2がないケースもありまし
たが、これをやれば早いし効率的です。
0 5・6年部合同学年会を開き、時間設定をする。「どの日に何をす
るか」の「誰が何を指導する」を決める。(初めに時間ありき。)
1 指導担当者は、5・6年部全担任に方法や内容を示したプリントを配
る。(各担任が必要に応じて各学級でも指導できるように。)
2 指導担当者が自分の学級で1・2時間程度動きを指導しておく。5・
6年部1回目の練習の際、1学級が動きを他の学級すべての子に見せる。
3 全員に一通りの動きの指導。覚えるまで数回繰り返す。
4 入退場も含めた動きの指導。よくなった動きを誉め、できていないと
ころのみ部分指導。
「全体をやって部分修正」の手順で指導すれば効果的です。全体の動きを
子どもたちがおおよそ覚えた状態なら、後は学級担任に任せても指導は簡
単にできます。部分的に動きが気になれば、必要に応じて学級で短時間の
指導を入れればよいでしょう。
ちなみに、「5時間もあれば十分」の表現は、ケースバイケースです。
現勤務校においての私のめやすです。「学年部・学級含めて運動会に向け
ての校庭の使用が10時間程度」で「5・6年生200数十名に指導」の
条件がある中でのめやすです。
当然ながら、条件や目的によっては、指導時間を増やすことで教育効果
を高められる場合もあるでしょう。
やたらと表現種目のみに多くの時間を割けば、害も出かねません。例え
ば、次のような嘆きを同僚からも聞きました。内山が直接運動会練習に関
わっていない学年の同僚からです。
「表現の指導に時間を使いすぎ。完璧を求めすぎ。リレーや団体種目を子
どもたちがやりたがっているのに時間がとれない。昼休みも表現の練習
などに使われて子どもたちが自主的にやりたいのにできないと不満を言
っている。」
参考までに、2001年度私が記してあった運動会関連部分の日記を以
下に載せます。
9/10(月)
8時15分から8時25分は、学年朝会。運動会の係を決めた。
5年生が担当する係の人数は、次の通り。
『審判12人 招集編成4人 記録4人 用具4人 出発1人』
「審判をやりたい人は立ちましょう。」
私のひと言で、どどどっと立つ。あとは、内山じゃんけん。係に決ま
った子は、即座に記録担当教諭に「組」と「名前」を伝える。
この調子で決めていく。大切なのは、やる気。あとは、担当教諭が指
導する。さほど難しい仕事ではない。
ということで、すべて立候補による決定。どの学級からも、5人以上
は係に決まった。 決めるのと記録にかかった時間は、5分弱。はじめ
と終わりに私がちょっぴり話をした。それを含めても8分間で終了。
なお、係に決まっていない子は、すべて応援や下級生の世話をするこ
とになる。また、器楽部の方はそちらの練習が多くなるため、係は器楽
部外の子を優先した。各組の応援団学級代表4人は、各学級で決める。
5の2は、すでに立候補で決定済み。
9/13(木)
放課後、5・6年担任で合同学年会議。運動会に向けての練習日程等
を決めた。
5・6年生合同の参加種目は、「表現」と「団体競技」。今年度は、
「表現」は「フォークダンス。「団体競技」は、昨年度同様に「世渡り
上手」。
「世渡り上手」は、私が担当。昨年度とちょっぴりはやり方を変えよう
と考えている。
なお、合同練習の日時計画案は、私が作成。提案した。
私が提案した5・6年合同種目二つの練習時間は、4時間。「4時間
の練習で、運動会本番OKの状態にする」が、目標。念のため、予備の
時間も決定。ここまでの会議時間は、10分ちょっと。
続けて5年学年会。短距離走やリレーの組み分けや練習日程等を決め
た。会議時間は、5分ちょっと。
9/20(木)
18日、5年全3学級で合同体育1時間。19日・20日、5・6年
全7学級で合同体育各1時間、計2時間。
火曜日から、秋季大運動会に向けての合同体育を開始。今日までに、
先の通り3時間実施。この3時間で、次の内容をやった。
1 色別リレー・公民会対抗リレーの選手・補欠の決定。
2 5年短距離走の能力別組編成(走順の決定)。
3 5年全員リレー(学級対抗)。
4 5・6年「フォークダンス」(入退場まで含む)。
5 5・6年団体種目「世渡り上手スペシャル」のやり方の説明。
事前に「決めておくべきこと」「知っておくべきこと」「やっておく
べきこと」は、この3時間で、すべてやった。5年生は、明日が運動会
でもOK!!
何らかのイベントづくりへの取り組みは、このように「すぐ動ける状
態をつくる」のが大事。
「全体が動けるようにしてから細かい動きや個々の指導はする」
これ基本。時間を効率的に使い、お説教など無駄な時間を費やさないこ
とが大切だ。
ベストセラーの『超勉強法』に示されている「パラシュート法」と考
え方は同じだ。「全体から部分へ」のやり方。この3時間で60%以上
を達成。
10/03(水)
運動会5・6年表現種目「フォークダンス」と団体競技「世渡り上手」
の合同練習は、本日で完了。予定通り、4時間で終了。(入退場や各学
級での練習時間も含む。)
あとは、「学年別リレー」「世渡り上手」でのより高いレベルを目指
して、各クラスで取り組むことになる。子どもたちの多くは、自主的に
「さらにレベルアップを」と考え臨む意欲十分。
〈Q&A 2〉
>●2点目です。
>> 学校のトイレのスリッパや教室・特別教室の整頓具合が気にな
>> るように指導を入れる。教えないのがポイント。やるべき仕事を
>> 自分で見つけ 行動できるように鍛えるのがポイント。
>うちの学校、階によってですが、トイレのサンダルがバラバラという
>より、グチャグチャです。日直で回ってて嫌になることがあります。
>一クラスだけ直しても、他のクラスや学年が直してくれないと、お手
>上げです。この点もご教示ください。
学校のトイレのスリッパが気になるように私が入れている指導を幾つか
述べます。
1 事実を見せる。「やりたいことをやってごらんなさい。」と言う。
例えば、朝の会の時間。
「今から学校探検に行きます。」(一部の子ども「やったあ!」)
(トイレの前で)「ここが○○校のトイレです。気になることがあるでし
ょう。やりたいことがある人は、どうぞ。」
(その後、数か所を巡る。最後は教室。)「ここは、○年○組教室です。
・・・)
*「学級のめあての話し合い」なんぞをしなければ、朝の会で、こんな指
導の時間もとれる。
2 学級や担当委員会で「世のため人のため」に取り組む。
道徳教育改革集団代表・深澤久氏が公表した有名な実践。「とっておき
の道徳授業」(佐藤幸司=編著・日本標準発行)に方法は掲載されている。
その追試をする。
スリッパをそっと直す子・スリッパをきちんと直さない子に注意する子
・仲間への呼びかけをする子が増える。
(この実践はお薦めです。方法は、著作権も絡みますからふせます。
ぜひ前掲書をご購読ください。)
3 偶然通りかかって気づいた時、トイレから出てきた子に声をかける。
「スリッパを見てごらん。」
あるいは、やって見せる。教諭自らが気づいたら、時にはそっと直して
おく。
4 スリッパを直している子を見かけたら大いに誉める。
「あなたは、えらい。○○小の鏡だ。」
5 1〜4の方法を周りの教職員にも広める。話題にする。
とはいっても、「手におえないほど学校全体がぐちゃぐちゃ」の事実を
変えていくのは簡単ではないでしょう。「時間がかかる」前提を踏まえて
取り組むべきことでしょう。
「完璧を望む必要はない」と私は思います。まずは、自分の担任する学級
・学年、さらには委員会などから他学年へと「よいことを広げる」方向で
の行動こそ大切でしょう。
私の勤務校とて、場所によって差もありますし、完璧な学年もありませ
ん。ただし、学年の担任2人以上が1〜5のような取り組みをすれば、だ
いぶ変わります。昨年度、同学年を組んだ教諭も証明してくださるでしょ
う。
このあたりが、今年度学級担任ではないので、内山の影響力が低くなっ
ている感じはあります。教職員メンバーも(鹿児島では?)人事異動で頻
繁に変わりますし。
「トイレのスリッパを整然と」は、大人でも結構難しいことでもあります。
例えば、殆ど大人だけの集まりであるPTAや教職員の会合でも結構乱
れています。私は、比較的それに目がいく方で事実を幾度も目の当たりに
しています。私は、比較的、そうっと直している方だと思います。
大人でも簡単にはできない人も結構います。ましてや、授業が延びて休
み時間が少ない中で急いでトイレを済ませスリッパをきちんと直す心遣い
までする余裕がない子がいても当然でしょう。
子どもの事実をよりよく変えていくための指導を粘り強く「やって見せ
て、やらせてみて、誉めながら」を基本に指導していくのが私たちの仕事
なのだと思います。