正義と勇気を育てる学級&学年集団づくりNO15
2002年 水無月
道徳教育改革集団鹿児島 内山義朗
5・6年算数TT加配教諭の面白さ(1)
初めての算数科TT加配教諭。初めて学級担任外の担当。
貴重な1年間になるはず。ということで、授業実践を通して見えてき
た事実や考えを日記に記す作業に取組中。
約2ヶ月が経過。TT加配教諭だからこそ経験できる面白さも日々見
えてくる。そんな事実や考えを日記の中から7点お伝えする。
T「やりやすさは腕次第」と考える。すると、やりがいも大きい。
5/05 SUN やりにくい学級?
「専科やTT加配教諭をしていると、それぞれの学級のいろんな点が見
える。やりやすい学級もあれば、とてもやりにくい学級。授業に真剣
に取り組まない学級。やたらと騒々しい学級。いろいろあるよ。」
昔、ある専科の方から幾度か耳にした話。この種の学級批判・学級担
任批判的コメントに対し、ある種の疑問を抱いてきた。
さまざまな子どもがいて、当たり前。学級も、それぞれ異なるのは当
然。
一人一人がみんな違う。その前提で対応して、授業で力をつけるのが、
プロ。
「やりやすい」「やりにくい」のレベルで、子どもや担任批判をしている
うちは、対応力が低い証拠。それに対応する授業の腕が未熟なだけ。授
業が成立しないのは、授業者の腕の低さが要因である場合が多い。
なあんて、疑問をずっと抱いてきた。
今年度、初めてのTT加配教諭。4学級に入って授業している。
「やりにくい」と感じる学級は、ひとつもない。どの学級も、おもしろい。
「授業の組み立て方をしくじった」と感じた経験は、幾度かあるけど。
U 見られる緊張感が力量アップに繋がる。
5/10 FRI TTサブ
5年算数は第2単元「小数のかけ算」第2時。この単元は、学級担
任のSさんが「リーダー」で授業。基本的には、全員への発問・指示・
説明は、Sさんがする。
前時から私は「サブ」で入っている。当然ながら「リーダー」とは見
る位置が異なる。「リーダー」とは違う角度から子どもの様子が見える。
「リーダー格」授業者の問いや指示・説明に対する子どもの反応が、よ
く見える。
一方、「リーダー格」授業者は、緊張する。細部まで見られているの
だから。
しかも、1時間ぽっきりではない。単元通し。
研究授業を毎時間やっている感覚。この緊張感が教師としての成長を
もたらす。
これが、ティームティーチング(TT)による授業の最大のメリット。
と、私は考えている。
V 授業形態を統一しないから、様々に学び合える。
5/14 TUE 6年「分数」第1時
6年2学級は、第2単元「分数」第1時。私は「サブ」。
6年のもう1学級は、私が「リーダー」で進める。あさってが、「分
数」第1時。
やり方は、単元全てにおいて、学級担任に任せている。本日、お二人
の授業を「サブ」としても参観。教科書の同じページの授業。
当然ながら、お二人とも授業の仕方が異なる。当然ながら、私なら違
うやり方になる。
つまり、この単元は、三者三様。だから、面白い。見ていても、多く
を学べる。
やり方が異なる部分があるから、学び合えるのである。違いをこそ研
究の対象とすべきである。
原則として、単元交代で学級担任と私が「リーダー」と「サブ」を入
れ替わる。すると、授業方法も、「リーダー」本人がやりたいようにで
きる。
これが、1時間交代だと、簡単にはいかない。1時間交代なら授業方
法が限定される。二人のやり方が変わると、子どもも混乱しかねない。
単元交代だと、ある意味、いい変化もつく。少なくとも、まず、マン
ネリ化しない。
そして、学んだ内容を次の単元に生かせる。授業方法の違いによる子
どもの事実の違いからも多くを学べる。
よって、そのうち学級担任とTT加配教諭とでの価値ある共同研究も、
できるはずだ。算数科授業研究のみならず、子ども研究も進められる。
TTは、やりようによっては、子ども以上に教職員が互いに力を伸ば
すために使える。あくまで、「やりようによっては」の条件付き。
ますます楽しみ。
W 複数クラスでの授業により失敗点が見えてくる。
6/04 TUE 本日の授業
5年Aクラス 「垂直と平行」第4時
6年Bクラス 「いろいろな立体」第3時
6年Cクラス 「いろいろな立体」第2時
6年Dクラス 「いろいろな立体」第1時
1校時から4校時まで連続。授業する箇所が微妙に異なる。
すべて内山が「リーダー」。
こんな時が最も気を遣うところ。授業する箇所を間違えると大幅な時
間のロスになる。
もちろん、子どもに確認する場合はある。が、これも数秒のロス。微
妙にテンポがズレル場合も出てくる。
だから、「どこまで授業したか」簡単に印をつけるようにしている。
6年3学級で授業していると、後に同じ箇所を授業するクラスでは修
正したくなる場合もある。
が、大幅修正は、今のところ、できるだけ避けている。「授業箇所が
どこなのか」で混乱を招くおそれがあるから。
特に、今日のように連続で授業がある日は、途中でじっくり確認でき
ない。だから、修正箇所は、必要最低限を意識。
X テスト採点を任せていただくことで、授業のミスも見えてくる。
6/05 WED 垂直と平行
5年「垂直と平行」第5時。単元テスト。平均点は、90点以上はい
っているはず。
しかし、先の2枚よりか幾分劣る。要因は二つ。
1 いきなりスピードアップし過ぎた。平行な関係の直線の性質や描き
方を十分に理解していない子がいた。
2 角の大きさ「2直角=180度」を十分に理解していない子がいた。
3 問題の意味理解が不十分な子がいた。『直線「あ」と垂直な(ある
いは平行な直線は、どれとどれですか。』の問いに対し、「あ」となん
とかと解答欄にかいている間違いが多かった。つまり、答えが二つあ
る問題に対し、一つしか答えていないミス。問題の意図を指導してお
くべきだった。
以上、反省点。もう1時間多くかけて確認と指導を入れておけば、平
均点2〜3点アップしたと考えられる。
次時からの学習単元「いろいろな四角形」でも、先の3点を指導して
いく。「変化のある繰り返しと確認をしつこく」をモットーに。
Y たまには、過激に。
6/06 THU 立方体の展開図
6年「いろいろな立体」第4時。教科書41ページ。4番の問題。
@の問題を読みなさい。
「@ 立方体ができるのはどれでしょうか。あ・い・う。」(「あ・い
・う」三つの展開図が掲載されている。)
立方体の展開図には○、そうではないものには×をつけなさい。
30秒後、○か×かを問う。
「あ」・・・全員が○
「い」・・・全員が○
「う」・・・全員が×
全問正解した人?
全員が挙手。
おめでとうございます。賞金ゼロ円。
正解はAを見ればわかります。どの図と同じですか。
「あ」と「い」。
ほかにも展開図をかいて立方体を作ります。みごと立方体の展開図だ
ったら、ノートに貼りなさい。
ここで板書。
12種類以上・・・賞金100000000円
制限時間は30分間。子どもたちは、なかなかにノリノリ。
期間観察しながら、助言。
隣同士、教え合ってもいいのですよ。助け合うために同じ教室にいる
のですから。
その図に気づくとは鋭い。
○○は、11種類いった。すごい。
30分後。
終了時刻です。最高記録11種類。すごい。
「今のところ発見されている立方体の展開図すべてが載っているプリン
ト」を配布。
12種類目を発見したら教えてくださいね。もしかしたら、ノーベル
賞がもらえるかもしれません。
発見できた展開図と発見できなかった展開図を各自確認。終末5分間
は、スキル。
Z 失敗を活かす。課題が次々と見えてくる。
6/07 FRI 角柱と円柱
6年「いろいろな立体」第5時。教科書42・43ページ。
2クラス連続で同じページを授業した。
2校時、一つ目のクラスでの授業。スッチャカメッチャカ。予定して
いたスキルにも入れずじまい。
要因は、やってみて、わかった。教科書の問題をそのまま各自ノート
にやらせた点にある。
それでも8割の子はできる。しかし、2割の子にとっては、問題が意
味不明状態。
それは、やる前から想定できた。だから、教科書の記述の順には扱わ
なかった。
角柱・円柱の定義を先に確認し、性質を確認し、問題順に各自に解か
せた。できた人はノートを見せにいらっしゃい。
8割は持ってきた。が、2割は引っかかったまんま。
これは、まずい。ということで、急きょ、変更。
一つ一つ、問題の意味を確認しながら具体物を使って答えの確認。
途中で作業を変更すると、それだけでも大きな時間のロス。テンポもか
なり悪くなる。
3校時、二つ目のクラスでの授業。修正し、スキルまで実施。
修正したといえども、たいしたことはやっていない。教科書の通りに、
教科書の問題順にやっただけ。引っかかるところは、スモールステップ
化し、発問し確認しながら。
こちらの方が、どちらかといえばスムーズ。テンポはよい。
この二つの授業の差がどれくらいつくかは見えている。このままだと、
単元テストの学級平均点で1点の差がつく。
学級平均点1点の差は大きい。平均点50点の学級を60点に引き上
げるなら難しくもない。通常、学級平均点90点を越える学級レベルで
の1点の差は大きい。
1時間の授業のレベルの差での変化が1点前後。そんな感覚。
算数科TT加配教諭として、6年3学級で約2か月授業をしていると、
そんな感覚が漸く身に付いてきた。
同時に、同じ箇所を2時間・3時間とするうちに修正すれう方法も、
少しずつ。修正するということは、即ち第一回目の授業では、子ども理
解と教材解釈が足りなかったのだ。自分の力量の足りなさが授業を通し
て見えてくる。
授業のマズサでつけてしまった差をどう埋めるかも課題。当然ながら、
少しずつ見えつつある。
というように、不幸中の幸い。算数科TT加配教諭にされたが故に、
新たに見えてくることあり。
新たな課題が次々と見えてくる。だから、この仕事は面白い。