クロ釣りには全然関係ないんだけど,今,イカ釣りというかイカ引きというか,ミズイカ狙いの
ゲ-ムが盛んだなあ!! 昔,クロ釣りのシ-ズンオフにはボクも狂っていた時期があった。
例によって古い絵だけど,おまけという事で紹介してみよう。
いずれも,エギ使用での釣果。ボクらは「イカ引き」と呼んでいた。
釣り場は鹿児島県三島村竹島港堤防。
4/13 2.4s 4/20 2.7s, 2.3s
4/24 2s 4/27 1.6kg この個体は回遊型(ワタリ)。頭部先端が細い。
4/28 2.3kg 5/5 2.3kg 2.2kg 1.3kg 3杯の数釣り。
5/10 東風泊で 2.9kg 5/13 1.8kg
5/14 2.5kg 5/16 甲イカ 2.1kg このイカ 目に瞼がある!! スミもまっ黒!!
5/17 1.3kg 5/18 1.2kg 0.8kg 食べ頃サイズ。3kg級は刺身にしても身厚い!!
イカ引きあれこれ!!
※南西諸島イカ引きのシ-ズンは大体4月から7月前半ぐらいまで。この時期産卵の為,成熟した個体が沿岸に
乗っ込んで来る。竹島でもイカの産卵の為,木枝等海中投入していたと聞く。産卵期のイカを獲るのは幾分気が
引けるが,ミズイカは,ある意味格別な「ごちそう」。エサや道具等手間がかからず,手軽に楽しめるので島でも人気
があった。シ-ズンになると,老若男女堤防でのイカ引きに精を出す。クロ,ワカナを釣るより,イカのデカを獲った人の
方がヒ-ロ-視されたりしていた。勿論年間を通して狙えるのだが,乗っ込みの終わった後から年内いっぱいは,花イカ
と呼ばれる小型に終始する。明けてからだんだん型が良くなり4月からシ-ズン突入となる。
※島のイカ引き名人と呼ばれていた人がいた。この人獲ったイカを売り,生計を立てていたほど。で,この名人,磯から
狙う事が多く,自分だけのポイントを持っていた。あるポイントでは,対岸の一本の松の大木を目印にキャストして,
潮のいいある晩など,連続21回イカを付けたと自慢しているのを聞いた事があった。イカ引きの経験のある方は実感
できると思うが,この連続21回イカ入れ食いと言う事の凄さは尋常ではない。ワタリの群れに当たったのだろうが,ボク
など2回連続が1〜2回あるだけだ。イカもやはりカップルでいるらしく,2杯続けて掛る事はそんなに珍しい事ではなか
ったが。
1994年当時の竹島港(長瀬港) 現在は右手海岸部に広い接岸部が完成している。
※イカ引きの時間帯は朝,夕マズメと月夜。月の出る晩,夜は寝るのももったいない位。堤防で涼みながらのキャス
ティング。イカが付いたら明かりを照らし,丸タモを下ろして取り込む。1人では大変なのでみんなで協力。
※イカ引きの獲物は大体ミズイカ(アオリイカ)が多いのだが,甲イカと呼んでいたコブシメも混じる。エギに掛るのは
割と小振りのコブシメが多かったが,素潜り漁師の獲った大型のコブシメは絶品の味!! ミズイカもかなりの美味だが
コブシメには足元にも及ばない。それぐらいの味。小さい甲イカは,チョットざらつく舌ざわりがあり,味しとては落ちる。
この外,5年間のイカ引きで,たった一度だけ,スルメイカ(ヤリイカか?)をゲットした事がありビックリ。後にも先にもその
一度だけ。このイカ鹿児島本土ではいくらかは姿を見れると思うんだが,南西諸島ではホントに稀!!
イカ引き使用竿 船竿30号
使用エギ群 鹿児島伝統の「山川エギ」。5寸サイズ中心。 こちらは磯用エギ。少し小さ目,鉛も削っている。
イカと言えば,今でも鮮烈に思い出す強烈な経験をした事がある。ある日の確か夕方近くだったと思うが,
竹島港の漁船溜まりに,ゆっくりと動いているイカらしきものがいて,大騒ぎになった事があった。よく見ると
確かに巨大?なイカ!!! 目を疑った。畳一畳程はある大きさ。いやもっと大きかったかも知れない? 小型ボ-ト
位あったかも。その生き物(確かにイカ!!)は,ゆっくりと漁船溜まりから出ようと動いている。ボクも入れて2〜
3人がエギを投げて,巨大な体に引っかけようとしたがダメ。誰かが「飛び込んでつかまえろ!!」と叫ぶ。が,さ
すがに飛びこもうとする人はいなかった。もし,大きなカラス口にかまれたらひとたまりもないもんね。誰かが
漁船溜まりの出口に網をかけて閉じ込めようと言い出し,みんな倉庫に走る。結局,大騒ぎしている中,巨大
イカは,港外にゆっくりと姿を消していった。あのイカ一体何だったのか??? ボクの知識から推測できるのは
大王イカか?? と言う事ぐらいか?? いや確かソデイカなる大型の種類もいるらしい。が,あれほど巨大にな
る??? 深海にいると言う大王イカなら,どうして浮いてきたの???? 分からない!!!!!
ボクらは何でも勝手に頭の中で,科学的,合理的?だと錯覚し,理屈っぽく乏しい知識の範囲内で考えがち
だが,そんな浅はかな人知など簡単に凌駕する事など,海ではたくさん経験できる。海には我々の考えも及
ばないものが確かに存在するように思う。海には得体の知れないバケモノがいるって事。それは生き物
かも知れないし,大きすぎる海に対するボク達の畏怖の念に根ざしている類の物かも知れないし,ちっぽけ
な人間など簡単に吹っ飛ばす程の大自然の力だったりするのかも。
自作エギ 島に自生していた「くさき」を削り,松葉ハリ,鉛,鶏羽,ビ-ズ玉等で仕上げ。
胴をライタ-の炎で炙り「焼きエギ」に。勿論実釣に使用しデカイカゲット!!
※釣り上げたミズイカは興奮していて,体の色は茶褐色だが,そのまま陸に上げておくと透き通ったような白色に変わる。
ビニ-ル袋に密閉し冷凍して置くと長期間保存が効く。むしろ解凍してのイカ刺しの方が,生の物より味が良くなる。
※竿に,道糸8〜10号を巻いた3000番程度のリ-ルで,明るい内は「青色系統」のエギで,暗くなってからは
「赤色系統」のエギで狙う。月夜で明るい時は又,違うエギでと,とにかくその時の状況にマッチするエギを
選択するのが一番のポイントか? 遠投し,エギを沈めていき,しばらくして竿をしゃくり糸を巻く。これを繰り返し
ながら手前まで引いてくる。この動作の繰り返し。イカがエギに乗ったら,しゃくった時「ガツ-ン!!!」と衝撃が
伝わる。2kg級でも強烈。3kg〜ともなると,まるで根掛かりしたような衝撃。糸を巻きにかかるが,大型はしばらく
間をおいてから締め込み始める。時にはリ-ルを逆転し糸を出すこともある。手前に寄せてくると,外のイカがついて
来ている事もある。時にはゾロゾロという感じで数匹ついて来ていて,隣の釣り人が早速,目の前でエギに掛けると
いう事もよくあった。
※時には,長手がハズれたりしてバラす事もあった。そんな時エギのハリには長手の一部分がついていて,それを
ハリから外し口に入れる!! 塩味もバッチリで,口の中いっぱいに海の恵みの味が広がるのだが,ハイライトはその
後,飲み込んでから。イカの足の吸盤が食道の壁に吸いつくのだ!!!! 思わず身を捩る位,快感なり。経験ある方も
おられる事だろう。まあ,この時のイカの味に敵うものはそんなに無いだろう!!
ちなみにミズイカは必ず長手を伸ばし,獲物を掴む。エギを抱く時も必ず後ろから,2本の長手を一杯伸ばし,抱きつく。
そして,カラス口でエギの腹と言うか,胴部分に噛みつく。しゃくりが遅い時など,胴に2〜3回ほど噛みつき,大きな穴が
開けられたりしていて,エギをダメにする事もあった。
5/19 3.2kg 5/22 2.8kg
5/22 3.3kg 明け方5時に来た一発!! 5/24 2.7kg
5/26 1.4kg 5/26 1.4kg
5/29 2.3kg 5/29 2.6kg 2kg級で胴長40〜50p 3〜4kg級で
50pオ-バ-。長手を入れると軽く1mオ-バ-。
6/1 2.1kg 6/1 2.8kg
6/9 1.3kg
6/12 残念ながら他人がゲットした大物!!!! 4.3kg (シ-ズン中,2〜3杯は上がっていた。)
ミズイカはこれぐらいの型が最大級と思われるが??
6/13 下から1.4kg 1.3kg 6/15 2.8kg
6/15 1.6kg 6/16 下から1.1kg 2.2kg 1.1kg
6/18 2.6kg 6/18 1.9kg
6/19 1.5kg 6/30 1.9kg 上は丸タモ(直径約80p)
7/6 下2.6kg 2kg 7/7 1.4kg
7/8 これは他人が掛けた3.5kg 7/9 2.3kg この1杯で今シ-ズンも終了。
この年の成績は,
×57杯 総重量100.5kg 1.76kg/1杯
2kg〜が×23杯。
written 2010 8/31