鹿児島 24時間 社会医療法人 愛仁会 植村病院

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■ 高血圧

日本人に最も多い生活習慣病「高血圧」。目立った症状もなく血管をじわじわ傷めつけ、動脈硬化をすすめ、脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの合併症を招く油断のできない病気です。これを防ぐための血圧の管理の常識が今年から大きく変わりました。
これまでの高血圧の診断にはWHO(世界保健機関)が定めた「収縮期血圧160mmHg/拡張期血圧95mmHg以上が高血圧、140/90mmHg未満が正常血圧、その中間は注意を要する境界域高血圧」とする基準が長い間使われてきました。しかし、この基準は科学的な根拠に基づいて作られたものではなく、便宜的な線引きでした。
研究が進むにつれ、心筋梗塞や脳卒中など、高血圧の重大な合併症を防ぐには、この基準では不十分なことがわかってきました。
今年に入ってアメリカの専門委員会では140/90mmHgでは危険で、130/85mmHgでは正常だが危険、理想は120/80mmHg以下とする考え方に変化しつつあります。
また薬を飲んで治療中の人は130/85mmHg以下に血圧を下げるように勧められています。高めだが正常の範囲と安心していた人も、長い将来健康に過ごすためには、新基準に照らして血圧の改善に取り組む必要がありそうです。

■ 肥満症

肥満症と、太りすぎは違います。
医学的に見て、減量治療が必要なのが「肥満症」。美容的に見た「太りすぎ」とは違うのです。とくに若い女性は、「自分は太りすぎている。」と信じこんでいる人が多いので、この際ただしくチェックしましょう。

身長(m)×身長(m)×22=標準体重(Kg)

日本肥満学会では、これを標準体重とし、標準体重+20%以上を「肥満」と定義しています(例えば身長155cmの人では1.55×1.55×22=52.8が標準体重で、52.8×1.2=63.3Kg以上であれば肥満)。この肥満のうち、合併症をすでに有しているか、今はなくても将来合併症をおこす可能性の高い場合(内臓脂肪型肥満)を、医学的に「肥満症」と呼び、治療の対象になります。

放っておくとコワイ合併症

「肥満症」の合併症には、糖尿病、高脂血症、高血圧、脂肪肝、高尿酸血症などのほか、膝関節症などがあります。また、「内臓脂肪型肥満」とは、おもに内臓に脂肪が付いて、糖尿病、高脂血症、高血圧症、虚血性心疾患などを引きおこしやすい肥満のこと。ふつうCTをとって診断しますが、ウエスト/ヒップ比(男性で1.0以上、女性で0.9以上が上半身型肥満)などでも診断します。

肥満症治療の鉄則

摂取するエネルギーが、消費エネルギーより下回ること。誤った減量法は、栄養障害などの危険をともないますので、担当医にきちんと相談してから行いましょう。

■ 風船療法

「狭心症や心筋梗塞は、手術をしないと治らない。」本当でしょうか?答えはノー。現在は、風船療法があります。
 薬と手術の中間の一週間前後ですむ治療法として、全国で盛んに行われています。 まず治療用の管を、足の付け根から血管まで入れ、つぎに細長い小さな風船を膨らませ、狭くなった血管を広げるのです。当院では、風船療法の一種で、最先端の「ステント治療」も行っています。患者さんの胸の痛みが、短期間で良くなっていくのは、私たちにとっても嬉しいこと。なお、風船療法を受けるには、心臓カテーテル検査が必要です。どうぞ御気軽にご相談ください。

■ インフルエンザ

風邪が人から人へ感染していくことは古くから知られていました。 いまではウィルスによる病気であることを知らない人はいません。その中でインフルエンザは激しい症状と肺炎などの合併症により現在でも沢山の人が危険な状態になります。
インフルエンザにかかっている人に接触すると1〜2日で突然、さむけ(悪寒)、頭痛、発熱、体がだるい等の症状がでて、さらに筋肉や関節が強く痛むのがふつうの風邪と違うところです。39〜40度の熱が2〜4日続き熱は下がり体は楽になっていきます。このころから咳やタンがひどくなりますが、治療を続ければ10日程度の経過で良くなっていきます。
原因はインフルエンザウィルスですが、そのタイプとしてA、B、C型がわかっています。特に老人や気管支喘息、心臓病、肺気腫などの慢性的な病気を持っている人は予防注射を受けることが大切です。
流行が始まったらまず人混みにでない、家族の中でかかった人が出来た場合は体力のない人は接触しない、など注意が必要です。外出後のうがいと手洗いが予防に効果があり、また暖房した部屋の中では加湿器などで湿度を保つことが大切です。
かかったと思ったら安静にして水分を充分にとります。そして至急受診してください。最近インフルエンザに有効な薬が発売されましたが、かかった直後でないと効果がありません。

■ 内視鏡

内視鏡的治療法は異物の摘出から始まり、昭和41年に胃のポリープ、昭和46年に大腸のポリープの切除が行われました。
同時期にはアルゴンレーザーによる消化管出血の止血も行われています。 こうした技術の開発により、今日では消化管の癌に対する治療も可能となり当院も胃や腸のポリープだけに限らず、大腸癌や食道癌の内視鏡的切除を施行。また最近は消化管出血の患者さんも増えており、クリップや高周波による凝固など、数種類の止血法で治療を行っています。他にも食堂脈癌に対する硬化術や結紮術、また胆管結石lも除去することができ、たった1本の内視鏡ではありますが、よく働くたのもしい存在となっています。

■ 胃潰瘍

胃十二指潰瘍の多くがHeli co bacter・pylori(ヘリコバクター・ピロリ)と密接に関係していることは、最近になってやっとわが国でも認めてもらえるようになりました。
しかし、Heli co bacter・pylori以外の要素は考えなくても良いのか?というとそうではありません。その昔、動物性蛋白は1日3g程度の摂取で塩分は30g程摂取されていましたが、現在では動物性蛋白は40gと増加したのに対し、塩分は13gの摂取に低下。結果、胃潰瘍は減少しましたが、十二指潰瘍ガンは増加してしまいました。
アメリカでは肉類の食事が減り、胃潰瘍の割合が増え、インドでは圧倒的に十二指潰瘍が多いそうです。またオイルショックや阪神大震災の時は、ストレスの影響により、潰瘍ガンになった人が増えたといいます。 栄養バランスの取れた食事を毎日心がけましょう。

■ CTスキャン

CTとは、コンピューター断層撮影法といい、X線管と検出器により体を多方向から撮影し、コンピューターで計算して体の断層像を得る方法です。
また、この装置は最短スキャン時間1秒の高速連続回転撮影で、患者さんに苦痛を与えず、安全でしかも短時間で精密な検査が可能。頭部(脳腫瘍、脳出血)、胸部(肺ガン、肺炎)、腹部(肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、骨盤)等、全身の病変を精密に映像化し、正確な判断ができます。
また、造影剤の使用により、血管、腫瘍等の病変に対しても、比較的簡単に撮影できるようになりました。

 数分間、胸・肩から背中にかけて痛むのですが・・・

(50歳・ビジネスマン)
私は、コンピューター関係の会社に勤務しているのですが、毎日、過密なスケジュールで働いています。そのため、帰宅が深夜になることもよくあります。7年前、健康診断で軽い高血圧を指摘されましたが、ここ何年もこれと言って病気になったこともありません。
ところが、この間、通勤途中で突然、胸、肩から背中にかけて痛みが走りました。しばらく痛みをこらえていると2,3分で痛みは治まったのですが、父親が心筋梗塞で亡くなっていることから心臓のことが少し気になるのですが?

 狭心症の疑いがあります。

代表的な症状は胸痛ですが、歯やアゴの痛み、腕や肩の痛み、喉が詰まるなど、現れる症状はさまざまです。痛みは5分以内に焼失するのが特徴です。

 駅の階段を昇るとき息切れしてしまうのですが・・・

(60歳・主婦)
私は、30数年専業主婦をしておりますが、更年期の頃から太りはじめ、3年前の成人病検診で軽い糖尿病と診断されました。最初の頃はその診断結果にショックを受けて、食事や運動に気をつけていましたが、だんだんともとに戻ってしまっています。
最近、駅の長い階段を昇っていると息切れがして、途中で一息入れないと上まで行けなくなってしまうのですが?

 心機能低下のひとつです

心臓の働きが弱った状態になると少しの運動でも息切れします。この方の場合は肥満が原因かもしれません。しかし、息切れは虚血性心疾患による心機能低下の1つです。精密検査を受けておくとよいでしょう。

 突然、激烈な胸の痛みが長く続いたのですが・・・

(58歳・学校教師)
私は昔から大の運動嫌いであり、休日もほとんど外に出ることはなく、書斎にこもり読書をするのが何よりも楽しいと感じております。そのような事が原因なのか解りませんが、ある夜、会議で遅くなり、タクシーで帰宅する途中、激しい胸の痛みに襲われました。痛みはなかなか治まらず、これは、ただごとではないと感じました。今まで狭心症の経験などは全くないのですが?

 心筋梗塞の疑いがあります

激しい胸痛が収まらない場合、第一に心筋梗塞が疑われます。狭心症と同様、胸部以外にもさまざまな部位に痛みを感じることがあり、ときに激しい腹痛で消化性潰瘍と間違われる場合もあります。
痛みは15分以上持続するのが特徴です。すぐに救急車を呼びましょう。

 風邪でもないのに喉や声がかすれるのですが・・・

(75歳・年金生活者)
私は会社を定年退職するころに狭心症を患った経験があり、50歳代から高血圧でもありました。ですが、降圧薬は飲んだり、飲まなかったりしていました。
最近、風邪でもないのに咳や声がかすれることがあり、夜は枕を高くして寝ないと寝つけず、夜中に何回もトイレに立ちます。そのため、疲れやすく外出はせず、いえにいることが多いのですが?

 心筋梗塞の疑いがあります

風邪でもないのに咳がでる、声がかすれる、夜間の尿量が増すというのは、心不全の初期症状にみられます。心不全は心臓のポンプ機能の衰えにより起こるもので、息切れ、疲れやすい、むくみが主症状です。虚血性心疾患が原因であることがしばしばです。

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