かごしま文学散歩 美山を訪ねて

〜司馬遼太郎と薩摩焼〜 2003年9月20日(土)



 大型台風が近づく中、予定通り参加者が揃い美山文学散歩がスタートしました。私たちの熱意に負けた台風は、何と右にそれて青空までのぞき、涼しい中で美山の秋を堪能することができました。

 まず東郷茂徳記念館に集合した後、研修室にて三嶽理事長よりレクチャーを受け、記念館内を見学。庭に建つ等身大の東郷茂徳像の前で、探検の会の東川さんの説明を聞きながら、東郷茂徳に関する歴史の勉強。
る歴史の勉強。
そこから歩いてすぐの所に沈寿官窯がありました。初代からの作品を展示した「収蔵庫」を係員の方から解説を聞きながら一回り。

旅の写真を説明しながら熱弁をふるう沈寿官氏

そのあと沈寿官さんの熱意溢れるお話をたっぷりと聴かせていただきました。帰られたばかりの韓国済州島訪問の土産話、初めての韓国訪問で面会した、朴大統領の逸話、「故郷望じがたく候」の作者司馬遼太郎の思い出、「九州文学」同人であった劉寒吉のエピソードなど、沈寿官氏ならではの豪放磊落な話に、一同時間を忘れて聞き入ってしまいました。
 お話の後は庭に出て、「故郷望じがたく候」の文学碑の前で記念写真を撮影。思い出深い一枚になりそうです。

東川さんの説明を聞く参加者
 沈寿官窯を後にして、散策しながら「薩摩陶器創祖」といわれる朴平意の記念碑、薩摩藩の財政を立て直した調所笑左右衛門の墓を東川さんの解説で見学
その後お待ちかねの喫茶「アップルミント」で、おいしい昼食とコーヒーをいただきました。
 最後は、朝鮮の始祖とされる檀君の霊を祀る玉山神社へ。鬱蒼と繁る杉の大木の参道をしばらく歩き、簡素ながら趣のある神社境内で、東川さんの歴史的な背景を含めた詳しい解説に耳を傾け、美山文学散歩のしめくくりとなりました。

参加者の感想
初めて予習してから参加した。見て歩くには、予備知識があって楽しかった。
「街道をゆく」を全部読んでみたいと思った。沈寿官さんの立場と視点の話が良かった。
私の頭の中にある文学散歩のイメージとは違って、歴史がはいったことで、文学的なテーマ性に乏しく、ゴチャゴチャした印象になった。
東郷記念館の内容はいいのに、うまく活かされていないと思った。古い町並みがないのも残念。
美山がこんなにいいところだと歩いてみて分かった。予習してきたのでよく頭に入った。
知らず知らずのうちに、寿官さんの話にひきこまれてしまった。すごいなと思った。