「ADSL」は「Asymmetric Digital Subscriber Line」の略称で、日本語では「非対称デジタル加入者線」という表記になります。ADSLは、電話局と加入者(ユーザー宅)を結ぶメタル線を利用して高速通信を行う「xDSL」と呼ばれる通信技術の1つで、xDSLの中で最も広く利用されています。
従来からあるアナログモデム接続も、メタル線を利用する点は同じだが、アナログモデム接続では、音声通話用の低くて狭い周波数しか利用していません。このため、最大通信速度は56Kbpsにとどまります。これに対してxDSLでは、人間の耳には聞こえないような高く広い周波数帯域を利用してデータ通信を行います。
xDSLの中でADSLが特徴的なのは、送受信速度を非対称にしている点。一般的なインターネットの利用では受信の方が圧倒的に多いので、ADSLはインターネット接続に適した通信方式として広く普及したのです。
ADSLでは、電話局とユーザー宅を結ぶメタル線上で、30kHz以上の周波数帯域を使って通信する。これに対し、電話(音声通話)で利用する周波数帯域は0〜3.4kHzまで。よって、メタル線上で信号が重複せず、ADSLのデータ通信と音声通話を同時に利用できます。
また、ADSLは、ユーザー宅では電話機の前、電話局では交換機の前に「スプリッタ」を配置し、音声通話とADSLの信号を分離しています。これにより電話機と交換機には音声通話の信号しか流れないので、問題なく音声通話とADSLでのデータ通信を両立できるのです。
現時点ではレンタルがお勧めです。レンタル料金は500円/月程度なので、2年利用しても1万2000円程度。また、新方式のADSLが登場した場合に利用できなくなる可能性もあるからです。