2001年5月 |
がさっ うわっ 音を立てんなって言ったのに!! 思わず隣にいるカカロットの口をふさぐと、カカロットのヤロウ俺の手をぺろんとなめやがった!!! 何しやがんだっっ!! こいつっ! 「いってっ!何すんだよぉ〜、兄ちゃん」 何すんだじゃねぇやっ!!人の手をなめたのはそっちじゃねぇか!! 「だって口ふさぐから息ができなくなったんじゃないか」 息ができなくなったら人の手をなめるのか、お前は!? 「あ!父ちゃん!!」 カカロットの声にびくぅと肩をすくめた俺は、息を潜めて辺りを伺った。 ふー。どうやらまだ気付かれちゃしないようだ。 「父ちゃんあっちに行ったみたいだな」 はー。こいつは脳天気で良いよな〜。 「??なあ、兄ちゃん?兄ちゃんが隠れるのは判るんだけど、そこでどうしてオラまで隠れなくちゃなんねぇんだ?」 ふんっ。気にすんなっ。連帯責任だと思え。 「れ、恋愛責任?やだな〜、兄ちゃん〜。何言ってんだ?」 バカっ! 連帯責任だっ!! ぞわぞわぞわ。カカロットの台詞に俺は鳥肌が立っちまって思わずカカロットの脳天にげんこつを食らわしてしまった。 「いってぇ〜〜〜!!!!!!」 いっでぇ〜〜〜〜〜〜!!!!! 何てぇ石頭だ、こいつ!!! 「何で殴るんだよぉ〜〜〜」 お前がミョーなこと口走るからじゃねぇか!!! 俺の方がかわいそうだよ、こんなかったい頭を殴る羽目になって。 はっ!! こんなことしてたらうっかり親父の方に意識が行かなくなってた……。 ごごごごごご〜〜〜〜〜〜 うっわ〜〜〜〜〜〜 こっ、この気は〜〜〜〜〜〜 「見つけたぞ〜〜〜、お前ら〜〜〜〜〜〜」 「うわ〜。と、父ちゃん〜〜〜」 げっ。親父ぃ〜〜〜。 「こんな場所に逃げ込めば俺のこと巻けるとでも思ってやがったのか!?」 「いや…その…オラ何にも知らないんだよ〜、父ちゃん〜〜〜」 げ。カカロットのやつ泣きを入れやがった!!! 「そんなことで許されるとでも思ってやがったのか!?」 「そ、それはその〜〜〜。あ!!兄ちゃん、ずりぃ〜ぞ〜!!!」 そんなこと知るかっ! 三十六計逃げるに如かずって言うだろっ!? 俺はカカロットの声を背中に一目散に逃げた。……はずだった。 次の瞬間。 ごんっっ!! いっってぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!! 「おい!俺に見つかって逃げ切れると思ってんのか!?」 眼前には戦闘時の倍以上のオーラを纏っている親父がいた。 思いません……。 うなだれた俺の脳天めがけて続けざまに拳が入る。 !!!!! こ、声が出ねぇ……。 後ろを見ると、俺と同じようにタコ殴りにされて目を回しているカカロット。 う。 俺もああなるのか……。 「勢いでうっかりカカロットを殴っちまったじゃねぇか!覚悟しやがれ!!」 い、いやそのあのそれは俺のせいでは…。 「いーや!お前のせいだ!お前だったんだな?お前が俺の俺の秘蔵の酒を…!!!」 ぐわ〜〜〜!!! ごすっ! す……すんませんでしたぁ…………… 〈おわり〉 BY:大沢 |
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